2019/11/13 21:54
『うっかりリールを水没させてしまったらどうすれば良いのでしょうか?』
即買い換え!
という訳にはいかないと思います。
愛着や、費用的な問題がありますし
それで
・特に巻き心地に異常がなければそのまま使っていても良いのでは?
・シマノのXプロテクト、コアプロテクトを信頼している。
・ほんの一瞬だし、大丈夫か。
とお考えになるかも知れませんが、ボディの中はどうなっているか開けて見ないと分かりません。
依頼者様によると一瞬、数秒の水没だったようです。
また、応急処置としてオイルを多めにボディ横のベアリングから注油されたとのこと。
使用されたものは低粘度の赤く着色されたオイルみたいでグリスと混ざりピンク色に乳化しています。
海水がどの程度までボディ内部に浸水していたかは正確には分かりませんが、写真の様な状態になってしまうとグリスは抜けた状態になりギアの保護、潤滑という観点からはかなり消極的な印象を持ちます。
シールドベアリングと言えど液体が通り抜ける隙間は十分過ぎるほどあるのでボディ左右からオイルを大量に注すと普通にボディ内に流れ込みます。
オイルの注し過ぎは厳禁です。
こちらはピニオンギア上のベアリングですが、こちらも乳化しています。
クラッチ周りの防水機構も完全に浸水を防げる訳ではないようです。
スプールにも注油されたのだと思われますがドラグフェルトがオイルで真っ赤に。
ドラグ性能は確実に低下していると思います。
各部ベアリングの回転をチェックさせていただきましたが、残念ながら浸水とオイル注油による乳化で回転のゴロつきとシャリ感のため全交換とさせていただきました。
ローターナットベアリングに関しては浸水の影響は無く状態も良好でしたのでそのまま継続使用です。
脱脂、清掃後グリスアップされたボディ内部は
無事、キレイになりました。
グリスに水分が混ざり乳化してしまうとやがて液状化して流れ落ちてしまい、ギアに必要な油膜を作り出すことが出来ず、金属同士の摩擦により寿命が縮むことになります。
ベアリングも同様にグリスが流れてしまうと使用中に急に異音がしてしまう事になると思います。
結論として、やはり水没してしまったらボディを開けて状態を確認しなければならないと思います。
メンテナンスを遅らせてしまったために内部ギア、パーツ類の総入れ替えは費用的にも痛いと思います。
今回掛かった費用は
基本整備3800円
ベアリング400×7=2800円
プレミアムベアリング900円
調整シム200×6=1200円
計8700円+送料となりました。
結構費用は掛かってしまいましたが、新品のステラを買い換えるよりはだいぶ出費は抑えられます。
水没させてしまった場合はメールにてお問い合わせいたたければと思います。
可能な範囲で予定を調整して早期に対応出来るよう致します。
それでは釣行ご安全に。