2020/04/07 16:21

個人的にシマノスピニングの大きな転換期となったのでは?と感じる技術特性


『Gフリーボディ』


ウォームシャフトがロッド側に配置される事によって重量バランスが向上し、タックルの軽量感、キャスト時の振り抜けが良くなるという触れ込みの技術特性です。

14ステラから採用され現行モデルでもこのGフリーボディは継続しています。


では非Gフリーボディの10ステラ系がキャストし辛いかと言われるとそんなことはありません。


気のせいレベルです。

…だと思います。


投げ比べれば違いは分かると思いますが、キャストに関してはGフリーボディでないと。とは思えません。


それよりも私がGフリーボディに優位性を見出だしているところは『投げ』では無く『巻き』の部分です。


これはアングラーの好みも大いに関係する部分だと思いますが10ステラ系より14ステラ系の方が摺動(スプール上下動)のノイズ、ギア感が抑えられた巻き感になるためです。

可能な限りリールを「巻いている感」を消すことによってロッド、ラインに出るアタリに集中することが容易になると私は感じます。


では10ステラ系は14ステラ系より劣るのか?と言われると単純にそうとは言えないと思います。


10ステラ系はシンプルな構造、ギアの歯数も非マイクロモジュール故の、よりダイレクトな巻きフィールを得ることが出来るためです。


巻き感度を重視する管理釣り場等ではまだまだ多くの方が10ステラ(それ以前のモデル)を愛用していることからもその事が言えると思います。


しかし、個人的には14ステラ系Gフリーボディのギア配置がもたらすガタの少ないカッチリとした巻き感が好みです。


限られたボディサイズ、レイアウト内でウォームシャフトの配置を変えるためにGフリーボディ採用のモデルには『中間ギア』というものが存在します。


下の画像は10ステラです。

ハンドルの回転は①メインギア→②ピニオンギア→③ウォームギア(ウォームシャフト)

と伝わり最終的にスプールが上下する仕組みですが

一方、14ステラ系(画像は16ヴァンキッシュ)は

ハンドルの回転→①メインギア→②ピニオンギア→③中間ギアL(中間ギアS)→④ウォームギア(ウォームシャフト)
ウォームシャフトを回すまでに1セクション多くなります。


注目していただきたいのは、中間ギアSとウォームギアのモジュール(ピッチの細かさ)です。


10ステラ系ではピニオンギアが直接ウォームギアに動力を伝えるためどうしてもギア形状(螺旋)、モジュールの観点からガタが出ます。


一方14ステラ系ではピニオンギアからの動力を一旦中間ギアLで受けたものをより細かいモジュールのギア(中間ギアS)によってウォームギアへ伝える事によってより滑らかでガタの少ないウォームシャフトへの動力伝達が可能になっています。


(下は18ステラの中間ギアL.S)
ひっくり返した状態です。
このあたりの構造上の違いが多少のギア駆動感に目をつぶってもダイレクト感を重視するアングラーと、リールからの余計なインフォメーションを嫌うアングラーとでリールの選択に違いをもたらしてる部分のひとつではないかと思われます。


見た目、スペックでリールを選ぶことも出来ますが、こうした内部構造による巻きの違いに注目した選択も面白いのではないかと思います。